推薦書籍: 『Tableauデータ分析 ~入門から実践まで~ 第3版』
- 著者:清水 隆介・前田 周輝・三好 淳一・小野 泰輔・山口 将央
- 出版社:秀和システム
- 発行年:2022年(第3版)
- ページ数:672ページ(B5変型、フルカラー)
- 価格(目安):税込5,390円(本体4,900円+税)
- ISBN:978-4798067896
書籍の内容と特長
『Tableauデータ分析 ~入門から実践まで~ 第3版』は、Tableau初心者から中級者まで幅広く対応した日本初の総合解説書です。これからTableauを使い始める人を対象に、基本操作から実践的な活用方法まで網羅的に解説しています。著者陣はTableauユーザーコミュニティの有志・エキスパートたちであり、彼らの現場経験に基づく「知っておくと役立つ情報」や「こうして課題を乗り越えた」といったノウハウも盛り込まれています。第3版では従来の構成をより読みやすくリニューアルし、新機能の説明や最新のユーザー事例もアップデートされています。例えば「リレーションシップ」と「結合」の違いやセットアクション、Viz in Tooltipなど、近年のTableau Desktopの新機能・重要機能もしっかり解説されています。
本書は全4部構成で、段階的に学習を進められる点が特長です。第1部・第2部でTableauの基本操作方法をチュートリアル形式で習得し、第3部では「データ分析プロジェクトの進め方」など分析思考やプロセス面の解説、第4部では商品分析・顧客分析など具体的な実践ケーススタディが紹介されています。このように基礎→応用→実践例と体系立てて構成されているため、Tableau未経験者でも順を追って無理なく理解を深められるでしょう。実際に本書は「非常にわかりやすく、今でも辞典代わりに使用しています」と学習者から評価されており、初心者にとってつまずきやすいポイントも丁寧に図解・解説されています。オールカラーで画面例やグラフ作成手順が豊富に示されているため、視覚的に理解しやすいのも魅力です(フルカラーゆえ価格はやや高めですが、それだけ内容が充実した一冊です)。
特に「Tableau Desktop Specialist」試験範囲の基本知識・スキルを一通りカバーしている点で、本書は試験対策にも最適です。データ接続の方法(ライブ接続と抽出の使い分け)や複数データソースの扱い、テーブル同士のリレーションシップと結合・ユニオン、基本的なチャート作成(棒グラフ・折れ線・マップ・散布図・積み上げ棒など)、グルーピングやセット・フィルター操作、基本的な計算フィールドや表計算、パラメーターの活用、ダッシュボード構築とインタラクティブ要素(フィルターやハイライト、アクション)、ワークブックの共有方法といった、試験で問われるトピックを余すところなく解説しています。さらにディメンションとメジャーの概念、不連続と連続の違い、集計の仕組みなど、Tableauの基本概念の理解も深まる内容です。公式試験ガイドの出題範囲と照らし合わせても、本書一冊で基礎知識から実践スキルまで一貫して学べるため、安心して試験準備に臨めます。実際に本書は「Tableauの基礎知識から実用内容まで網羅されており、本書で学習すればDesktop Specialistだけでなく上位資格のData Analyst取得も目指せる」と評価されています。試験対策としては、章末の練習問題や付属データで手を動かしながら理解を定着させることで、知識だけでなく操作スキルも身につけられるでしょう。
1日30分×1年間の学習計画との相性
30分の短時間学習をコツコツ積み重ねるスタイルにも、この本は非常に適しています。全672ページとボリュームはありますが、その分内容が細かいステップに分かれており、1日の学習で無理なく進められる単位が豊富です。例えば各章節がコンパクトにまとまっているため、「休憩時間に数ページずつ読む→実際に手を動かして試す」といった習慣を作りやすいでしょう。1日30分で毎日少しずつ読み進めれば、半年~1年かけてTableauの基礎から応用まで体系的に習得できる計算です。序盤のチュートリアル部分(基本操作編)は特に初心者でも取り組みやすく、短時間でも達成感を得られる構成になっています。また、各章で扱った内容は後から見返しやすく整理されており、索引も充実しているので辞書的に必要な項目だけ復習することも可能です。これは長期学習において、疑問点が出た際にすぐ参照できる心強いメリットです。
さらに日本語で平易に書かれているため、英語資料に頼らず理解を深められる点も継続学習には重要です。専門用語も日本語で丁寧に説明され、難解な概念も図や例えを交えて噛み砕いてあります。図版が多く文章も適度な長さに区切られているため、毎日の少しの時間でも集中して読み進めやすいでしょう。加えて本書には演習用のサンプルデータや無料電子版(PDF)が付属しており、移動時間などに電子版で復習したり、自宅PCでサンプルデータを使って実践練習したりといった工夫もできます。日々30分の学習でも、紙の本と電子版・演習ファイルを活用することで効率よく知識とスキルを積み上げられるでしょう。
他の類書との比較と最終的なおすすめ
Tableau学習本は他にも『できる100の新法則 Tableau タブロー ビジュアルWeb分析』(2016年)や、元Tableau社エンジニアの松島七衣氏による『Tableauによる最強・最速のデータ可視化テクニック 第3版』(2023年)などがあります。それらも初心者向けに定評のある良書ですが、本書『Tableauデータ分析 ~入門から実践まで~ 第3版』は最新の内容更新と試験範囲の網羅性という点で優れています。特に前者(できる100の新法則)はマーケティング分析に特化した構成で、Tableau Desktop Specialist試験範囲を直接カバーする内容ではありません。一方で後者(松島氏の書籍)は操作テクニックに重点があり、資格試験対応の体系性という点では本書に軍配が上がります。
以上の比較から、「1日30分のペースで1年かけて学習し、Tableau Desktop Specialistに合格したい」という目的に対しては、本書が最適な1冊と断言できます。本書なら初心者でも挫折しにくい丁寧な解説でTableauの基礎を固めつつ、試験合格に必要な知識と実践力を余すところなく修得できるでしょう。長期的な独学のお供としてぜひ活用してみてください。
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